傘をさし続ける男・・・

 

〜第一章『降り続く雨』〜

 

雨は降り続ける、シトシトとボクの心の中に。

絶望と言う言葉は雨の中では無意味なモノだった。

黒い傘、青い傘、黄色い傘、赤い傘、どれでも同じモノに写る。

色と言う認識はこの雨の中では意味の無いことだった。

だけどボクは傘をさし続ける、例え世紀末がこようとも、

例えこの世の末が訪れようとも、ボクは傘をさし続ける。

雨はシトシトと降り続ける。

永遠と終わらない雨、永遠と変わらないモノ、ボクはそのモノ自体を知らない。

ただ雨が降り続く限りボクは傘をさし続けよう。

時にはキミもボクの傘に入れてあげよう。

時にはボクがキミの傘に入る事もあるだろう。

たった一つの傘にキミとボク、相合い傘みたいだね。

だからボクは待ち続けようこの雨が止むのを、

だからボクは待ち続けようこの世が崩壊するその日まで。 ボクは名も無い人間です。

だから誰かボクに名前をくれませんか?

誰かボクの傘をいりませんか? ボクは傘をさし続ける男。

この心の雨が止むその日まで・・・・〜