太陽を追いかけて |
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第三章 『光と陰』
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灼熱地獄の中ではいつだって光と陰が隣り合わせにあった。 俺には光の中に存在場所を見つける事が出来やしない。 だから俺は灼熱地獄の中で陰を探し街を彷徨い続けた。 けれど例え陰があったとしても俺の存在場所がある保証は何処にも無かった。 光の中がそうであるように、陰の中にも自由なんてモノは無いのかもしれない。ただあるモノは、 縛られた自分、歯車の自分、そして仮面をかぶった自分だけなんだ。 それはいつでもそうであり、これからもそうあり続けるだろう。 ギシギシ・カッタンカッタン・ギュウギュウ ここまで来れば、もはや人間一人の力なんて何の意味も持たないのかもしれない。 そして俺はそんな街を歩いて来た。そして俺はそんな光と陰が交差する世界を歩いて来た。 意味はあるのか? 意味はあったのか? 俺は孤独か? 俺は一体誰なんだ。 光と陰、善と悪、疑問と答え、自分と他人、YESとNO、そして生と死。 街では全てが相反する様に存在している。 そして一瞬にしてその選択に俺達は答えなければ成らない。 考えてるいる暇は無い、迷っている暇も無い、 光の中で生きていくのなら陰を作り出さなくてはいけない。 善を選ぶなら悪を理解しなくてはいけない。 疑問をかかげるなら答えを探さなくてはいけない。 自分が自分で居たいなら他人を認めなければいけない。 YESを口にするならNOの意味を知らなければいけない。 そしてこの世界で真剣に生きていくのなら、 死を背負う覚悟をしなければいけない。 フムフム・ナニナニ・ジラジラ・ハハン 光と陰、俺はその全てを受け入れよう。光と陰、俺はその全てを認めよう。 光と陰、生と死、俺は生きて行きたい。 今まで背負って来たその全てを脱ぎ捨てて・・ |