太陽を追いかけて

 
第四章 『初めの第一歩』
 
この傷ついた体は痛みを感じる。この傷ついた心は愛を求める。

そして俺の心は痛みの中にあった。
鎧を外し仮面を脱ぎ捨てると、
                灼熱の太陽の光は俺には痛みと成って降り注ぐ。

カラカラに乾いたアスファルト、カラカラに乾いた喉、カラカラに乾いた俺の心
そしてカラカラに乾いたこの世界
けれど俺は生きていた。
真剣に生きていた。痛みを感じる心は俺の生きている証。
そして太陽は俺の体をジリジリと焼き尽くす。

ジリジリ・ジュワー・グツグツ・ユラユラ

愛が欲しい、君の愛が欲しい。心から俺は願った。君の全てを知りたいと。
愛されたい。愛したい。愛し合いたい。心の底から俺は願った。
君の全てを抱きしめたいと。

そして希望の光と、絶望の光はやはり隣り合わせに存在している。
けれど俺はもう後戻りは出来ない。新しく生まれ、そして最初の第一歩を歩き出したのだから。

ドドドド・ハッハッハッハッ・ドカドカ

痛みはやがて愛の光に癒される。
愛の光は俺の犯した過ちを優しく許してくれる。
俺は愛の光の中で君を求めた。
君を包む愛の光、俺を包む愛の光、そして生まれた一つの陰。
そしてその陰もやがて愛の光の中で消えてゆく。
生まれ落ちたこの世界。
そしてこれから生まれようとするこの世界。

俺はそんな世界の狭間で生きて行く。そして歩いて行く。
                       初めの一歩をかみしめながら・・・