闘病日記(新潟信愛病院編)

2003 7/4


2003年7月4日(金曜日)
明日でいよいよこの新潟信愛病院を退院することになる。
約二週間の入院生活は果たして長かったのだろうか? それとも短かったのか? 答えは分からない。
きっと永遠に分からない。
色々な人に親切にしてもらって、それなりに思い出の一つも出来たのだろうか?
でもこの病院には症状が重い人があまり居なかったような感じがした。
多分僕が一番症状が重かったのかもしれない。
看護婦には本当に沢山の迷惑を掛けてしまった気がする。
それは自分の我が侭なのか、病気のせいなのかは分からないが、とにかく看護婦や医療関係者には迷惑を沢山掛けてしまった。

前に入院していた病院の時もそうだった。
僕はきっと何処に居ても誰かに迷惑を掛けてしまったり、誰かを傷付けてしまう人間なんだ。
でも大切なあの子との約束をしてしまったから死ぬ事も出来ない。
一生誰かを傷付け続けたとしても、一生誰とも愛し合えなくても、僕はあの子との約束は守りたい。
だから例え一生不幸で苦しい人生だとしても僕は自ら死を選べないし選ぶ事は出来ない。
僕の好きなあの子はとっても良い子なんです。そしてとっても優しい子なんです。
だから僕は多分片想いだとしても一生好きでいられる自身があります。まさしく永遠の愛です。
そしてそれが僕の求め続けていた真実の愛の形なんです。

 明日(7月5日)に僕はこの病院を退院するけれど、退院したら佐渡島に行きたいです。
どちらにしろ前に通っていた病院は月曜日に診察なので土日と二日間時間があります。
だから退院したら佐渡島に行って一泊して日曜の夜に家に帰り月曜に病院に行ってそれから入院になると思います。
佐渡島は一度だけ行った事があったのですが、あまり良い思い出が無いので、今度は色々な楽しい(精神的には楽しくはなれないかもしれないけれど)思い出を作って来たいと思ってます。

もうすぐ僕の現実逃避の旅も終わりですね。 良かったのか悪かったのか分からないけれど、
少なくとも僕の現実逃避の旅は確実にもう直ぐ終わります。
色々な人に親切にされ、色々な人に迷惑を掛けてしまったけれど、
僕は旅立ったあの日よりほんの少し大きく成れたのかな? そしてほんの少し強く成れたのかな?
でも君に抱き締められる事は無いんだね。でもそれでも良いよ。初めから分かっていた事だったから。
ただ君が僕が君の事をずっと好きでいていいよと言ってくれた事だけで、僕は十分幸せだから。
本当にありがとう。僕の新潟信愛病院闘病日記はこれで終わるけれど、
僕の心の旅はまだまだ始まったばかりなのだから・・・。

〜ほんの少し僕が変ったのが君には分かるかい?
 ほんの少し僕の想いが大きくなったのが君には分かるかい?
 そうだよ 僕は君を想う為に旅に出たんだ そして君に逢う為に帰って来た
 そんな僕の気持ちが君に分かるかな? いいんだ まだ分からなくても
 10年後 いや20年後にでも気付いてくれれば良いよ
 だって僕らにはまだまだ知らない事ばかりなのだから・・・〜

※注※
ちなみにここに書かれている事(詩以外)は全て真実です。
プライベート上個人名は一切掲載していません。
病院は本当に実在しますが、その事でのトラブルが発生した場合は全て僕が責任を取ります。
ですので、興味本意で病院に迷惑の掛かるような事はしないで下さい。お願いします

2003.7.4 kazuhiko Saito

追伸
今日2003年7月5日(土曜日)が正式な退院日なので、追伸を書きます。
正直この病棟には色々な人達が居ました。僕は精神病院に入院したのは3回目なので、
もうどんな人が居ても驚く事はなくなりました。色々な奇妙な行動をする人
(自分も含めて)もそれなりにいました。
けれど今回の日記にはあまりその辺の事を書かないように決めてました。
人は生まれた時から人権があります。その人権を尊重したいと今は思っています。
と言うより自分の人権を尊重して欲しい気持ちが強くあります。
僕は人間です、病気かもしれないけれど僕は人間です。
人を愛したり、自由や平和や幸せを求めている、みんなと同じ人間です。
統合失調症(精神分裂病)は社会では差別されてしまう病気ですけれど、僕は人間です。
僕はみんなと同じ人間です。みんなと同じ人間なのです。
精神病による差別が無くなる事を心ら望んでいます。  kazuhiko Saito