追憶の風の中で・・・


悲しいね 淋しいね 呟く君を僕は覚えている
悪い夢でも見ていたのだろうか けっ飛ばした空き缶はただ虚しく宙を舞っている
僕等が生まれた場所を恨むのか 僕等が生まれた時代を恨むのか
結局何も変わらないと言うのに
やり場の無い気持ちだけが空回りしていたあの頃 置き忘れた夢が今悲しく輝いている
涙の行方も分からないまま 僕等は夢中に成った 儚い追憶の風の中で・・・

怖いね 苦しいね 呟く君を僕は覚えている
いけない過ちでも犯したのだろうか 繋がれた鎖は僕を罪の意識の中に引きずり込む
運命と言う名の呪縛を恨むのか 定めという名の現状を拒むのか
結局何も変わらないと言うのに
迫害者達に制圧され束縛されていたあの頃 戦い続けた闘志が今静かに輝いている
明日への行方も分からないまま 僕等は抱き合った 儚い追憶の風の中で・・・

生きようとした代償にもらったモノは一体何だったのか
この行き場のない苦しみだったのか 神の存在を認めるのならどうか教えて欲しい
現実も幻も全ての行方のその答えとやらを
追憶の風の中で僕は一人震えていた 傷付けた全ての罪を背負って

楽しかったよね 幸せだったよね 呟く君を僕は覚えている
信じられることが全てだったのだろか 幸福と祝福だった日々が涙の中で滲んで見える
愛という名の幸せを願うのか 夢という名の希望を願うのか
何かが変わるとただ信じて
いつでも誠実な心だけが一人裏切りの犠牲になったあの頃 頑なに守った愛だけが今優しく輝いている
戸惑いを隠せないままに 僕等は口付けを交わした 儚い追憶の風の中で・・・

君を見失わないように 僕等は心で結ばれようとした 儚い追憶の風の中で・・・
感じたままを受け止めながら 僕等は抱き合った 儚い追憶の風の中で・・・
とても儚い追憶の風の中で・・・