ノスタルジーな夢の世界


ノスタルジーな夢の世界
夕べ僕は君の夢を観た 僕の知らない街 僕の知らない風景のその街で
夢の中の君は「私が生まれた場所だよ」と笑顔で言った

実際の僕は君の生まれた街 そして君の住んでいる街を知らない
だからその僕の知らない街は 限りなく僕の想像の中で作られた
限りなく僕の個人的な世界なのだろうね
だけど僕はその夢で君が生まれたと言う その街にノスタルジーな気持ちを覚えた

夢の中での君はとても楽しそうに その街のひとつひとつを まるで懐かしむように
僕に案内して廻る
そしてその夢の中では君の溢れんばかりの笑顔と君の笑う声が絶え間なく
春先の木漏れ日の中に混ざり溶け込んでいた

君が笑顔で僕に紹介してくれる
君のお父さんもお母さんも とても優しそうな人達で
この僕が恐縮してしまう程の優しそうな眼差しで
この僕に君の幸せを託してくれていた
現実の君には親なんて居ないはずなのにね

でも現実とは裏腹で
夢の中の君は絶え間ない笑顔と幸せそうな微笑みでいっぱいだった
ホント現実で不安に苦しんでいる本物の君とは裏腹で・・・

僕は君が笑って居られるのなら 君が幸せで居続けられるのなら
その僕の想像と言う偽りで塗り固められた夢の世界でも
永遠に暮らしていきたいとさえ思った
たとえそれが僕が造り上げた 偽りの世界 だと知っていたとしても
僕はただ君の笑顔をずっと見続けて居たかった ただそれだけで良かったのに・・・

だけど現実の僕は君の笑顔を失って
この儚く悲し過ぎる現実の世界で目覚めてしまった
君の幸せと笑顔を そのノスタルジーな夢の世界に置き去りのままで・・・・

 

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