閉鎖病棟

 


また僕は閉鎖された空間に入れられてしまった
きっと悪い夢でも観ているだけなのだろうか?
けれど何度うなされて目覚めても現実の世界の方が悪い夢
一体僕がどんな悪いコトをしたと言うの?
僕は何も悪いコトなんてしていない
けれどそんな僕を世間は許してなんてくれはしない
理由や訳なんて分かるはずもない
けれど今僕は何も与えられる事も 何を許される事もない
閉鎖病棟と言う名の監獄に監禁されている
外の空気が吸いたい 排気ガスに汚染された空気でも構わない
マトモになりたい けれどマトモじゃ無いモノに縛りつけられ
これじゃマトモになんてなれはしない

外で感じていた時間の流れも この監獄じゃ滅茶苦茶さ
永く永く感じる そして多少の自由な時間はあっと言う間に過ぎていく

苦しみだとか辛さだとか そんなモノは この世界じゃ何の意味も持ちはしない
ならば全ての感情を殺してくれ

もう僕の笑顔は歪んでしか見えやしない
もう僕の僕らしさ なんて言うのも何の意味もない

既に僕は殺された

イイ奴だったから35年間も一緒だった けれどそんな僕は殺された

だからこれからの斉藤和彦は 僕の知らない斉藤和彦

今までの本当の僕は閉鎖病棟と言う名の刑務所で 夕べ 処刑された・・・

 

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